2011年12月15日木曜日

『カリブ海のドン・キホーテ フィデル・カストロ伝』 三浦伸昭

カストロ、ゲバラらが目指したものは――。たった82名での蜂起、相次ぐ敗走。やがて革命は成るが、襲い来る国際政治の荒波。彼らを通して見えてくる世界の動き……。評伝小説を越えて、大きく視野を広げた国際政治小説となっている。多彩な登場人物――ヘミングウェイ、JFK、フルシチョフ、池田勇人、ニクソン、ブレジネフ、ブッシュ親子、ヨハネ・パウロII世……。抜群の面白さ!!
Amazonの紹介にあるように「抜群の面白さ」でした。誇張ではありません。

圧倒的な純粋さと遠大な智謀で、キューバ革命を成し遂げるだけでなく、その後半世紀にもわたってアメリカ帝国の「明白なる宿命」と渡り合ったフィデル・カストロの革命人生。もはや生ける伝説ですが、これを読むとその感が強くなります。

カストロ、ゲバラやラウルなどの戦友、カストロを慕うキューバ国民がかなり美化されて描かれているようにも思いましたが、実際のところはどうなんでしょう?その辺はキューバで感じてきたいと思います。

533ページと結構なボリュームですが、本当に面白くてどんどん読み進むことができました。キューバ革命、冷戦、冷戦崩壊後の歴史をキューバを中心に捉えることができます。また、カストロ、ゲバラ、ラウルだけでなく、米ソの歴代首脳も生き生きと描かれており、歴史が物語として頭に入ってきます。

作者の三浦伸昭さんは公認会計士をする傍ら、歴史小説を執筆しているようです。私も社畜だから…などという言い訳はできません。尊敬します。


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