2012年1月24日火曜日

『冒険者カストロ』 佐々木譲

1959年、32歳の若さでキューバ革命を成功させ、アメリカの喉元に刃を突きつけたフィデル・カストロ。いまなお権力を保持する彼の指導力とカリスマ性はどこからきているのか。生い立ちから革命に目覚めた学生時代、シエラ・マエストラ山中のゲリラとしての生活と戦い、盟友チェ・ゲバラとの確執と決裂、さらに最近の動向までを追い、稀代の革命家の実像に迫る渾身のノンフィクション。
やはりカストロとは稀代の革命家であり政治家であることが再確認できました。幼少の頃の生い立ち、学生時代、モンカダ兵営襲撃事件、革命、革命後の政治、キューバ危機などについて簡潔かつ面白く書いてあります。

チェ・ゲバラがキューバを去るところで終わってしまっているのが残念です。その後どのようにソ連の庇護のもと共産主義国家を運営していったのか、ソ連崩壊後の危機「スペシャル・ピリオド」をどのように乗り越えたのかについても読んでみたかったです。


2012年1月17日火曜日

トイレについて

潔癖症の日本人には厳しいかもしれません。以下3枚クリックで拡大できます(閲覧注意)。


綺麗なトイレに入りたかったら観光客向けの高級ホテルに行きましょう。ただし必ずしも綺麗とは限りません。また、女性の方はトイレのフタがない場合が多いそうです。ときどきトイレの入口に掃除のおばちゃんと思わしきひとがチップを要求してきます(空港にすらいました)。払わないと強引に迫ってくるおばちゃんもいます。


トイレットペーパーはトイレに流さずに横のゴミ箱に捨てなければなりません。これはカーサ・パティクラールでも高級ホテルでも同じでした。下水施設が対応していないのでしょうか。普段はトイレットペーパーをトイレになんの疑問も持たずに流している日本人が使用済みのトイレットペーパーをゴミ箱に捨てるのは抵抗があるかもしれません。

2012年1月16日月曜日

米国に入国

私は米国のダラス在住なのでダラス・フォートワース空港から米国に入国しました。

パスポートにはキューバ入国のスタンプは押されないのですが、メキシコ入国のスタンプは旅行の初日と最終日の2回押されています。その間の足取りはパスポートからは分からないので、そこを入国審査官に聞かれるかとも思っていたのですが、そこまでパスポートのスタンプを丹念に見られませんでした。ダラスでは何をやっているのか聞かれたのでエンジニアをやっていると答えただけです。

カスタムに提出する書類にはメキシコに行ったとしか書かなかったので、特に荷物をチェックされずにスルーでした。

ホセ・マルティ空港からカンクンへ

カーサ・パティクラールのご主人に次の日帰国すると言ったら、タクシーを呼んでくれました。25CUCです。


空港に着いてまず驚いたのは、12:55発だと思っていた出発時間が実際は14:00発だったこと。Eチケットの出発時刻はなんだったのでしょう?おかげでカンクンでの乗り継ぎがギリギリでした。乗り継ぎには余裕をみましょう。

もうひとつ驚いたのがチェックイン後に現金で空港使用税を払わないといけないこと。25CUC/人、二人で50CUC。そのときの手持ちは29CUC。足りない21CUCを入手しようと$25を両替しようとしたら、両替は必要ないと言われ、29CUC+$25を払いました。両替所にはVISAのステッカーが貼ってあったので、現金の持ち合わせがない場合にはクレジットカードで兌換ペソを入手することもできると思いますが、25CUCx人数分の現金を持っておいたほうが安心だと思います。


チェックインを済ませ空港使用税を払ったら出国ゲートを通過して飛行機の搭乗するだけです。出国ゲートを過ぎると免税店、お土産屋、両替所があります。

プロパガンダなど

街には広告はなく、あるのは革命のプロパガンダです。

あるキューバ人はフィデル・カストロのことを父親のような存在だと言っていました。また、チェ・ゲバラはみんなのヒーローです。カミーロ・シエンフエゴスのことを尊敬しているという人もいました。



革命53周年。





これはラム工場の写真です。フィデルとともに弟のラウルも支持されているようです。


ホセ・マルティとゲバラ。


最後の2枚は野球場です。フィデル・カストロは野球好きだそうです。

クラシックカー

革命前から走っているであろうアメ車、ソ連製のラーダなど多くのクラシックカーが現役で走っています。古い建物と並んでクラシックカーはキューバの街を特徴づけていると思います。

写真では伝わりませんが、排気ガスが非常に臭く、交通量の多い道路には排気ガスが充満しているだけでなく、車中に乗っていても車内に入り込んできます。クラシックカータクシーでの長距離移動は健康に良くなさそうです。

中にはヒュンダイ、起亜、プジョーなどの新車もみます。米国など海外に亡命した人が家族にいると送金してもらって新車を購入するそうです。でないと新車など一般のキューバ人には手が届きません。



車の下を覗き込んで修理中。



これはもう現役ではなさそうですね。


 二人乗りのバイク。よく見かけました。


左前輪の後ろにフェラーリのステッカーが。


これはクラシックカーではないかもしれません。米国のスクールバスと同じにみえます。


タクシーに乗っていたら故障したらしく、運転手がボンネットを開けていじり始めました。この後押しがけで再スタートしました。

食事について

食材の種類が豊富でないのか、食事はワンパターンであまり美味しくありませんでした。

その辺の観光客があまり入らないようなお店に行くと非常に値段が高いことがありました。外国人への適正価格が分からないのかもしれません。意外と観光客向けのホテルなどの方が安かったりします。


一般的なプレート。1枚目は豚肉、非常に塩辛かったです。2枚目は鶏肉に赤飯的な豆といっしょに炊いた米。


サンドイッチはどこも大きく、ハムもチーズもたっぷり入っています。また、パンも(米国に比べて)美味しいです。キューバ人が食べるパンには防腐剤などが入っておらず、パンの配給は毎日されるそうです。そのためかパンをむき出しで持って歩くひとをよく見かけました。


ケーキ。食べませんでしたが、美味しいのでしょうか?キューバ国民は誕生日には国からケーキが配給されるそうで、ケーキをひとホール丸ごと持って歩くひとをよく見かけました。


最後の2枚はいわゆる観光客向けの高めのお店のものです。2枚目の魚は美味しかったです。

サッカーをやる子供たち


キューバに行く前に読んだ本では、野球はキューバの国技であり圧倒的な人気を誇る、などと書いてありました。確かに大人が観戦するスポーツとしては野球は人気がありそうですし、日本人だと分かると松坂やイチローは素晴らしいなどと言われます。しかし、子供たちが実際に遊びでやっているのは野球よりもサッカーの方が多かったです。サッカーが流行っているのでしょうか?

ヒネテロについて

ヒネテロ(jinetero)とは、観光客が集まる場所をブラブラし、どうにかして観光客からチップなどを受け取ろうという人たちです。いろいろなパターンがあります。
  1. 「葉巻は要らないか?コイーバ、モンテクリストとか政府がやってる店よりも安いところに連れてってやる。買わなくてもいい、見るだけでいいよ」と話しかけてきます。このパターンが一番多いです。実際に安いかどうかは分かりませんが、バッタモンをつかまされる可能性があるそうです。
  2. 「近くに素晴らしいバーがあるから連れてってやるよ」などと話しかけてきます。
  3. いいレートで両替してやると言ってくる人もいます。これは本来は外貨を兌換ペソCUCに両替するところを見た目の似ている人民ペソ(1CUC=25人民ペソ)を渡すというものです。これはほとんど犯罪ですね。気をつけましょう。
  4. 観光地を案内して最後にチップを要求。
  5. 「キューバはとても素晴らしいだろ。なら感謝の気持ちに1CUCくれ。ダメならピザを食わしてくれ」などとしつこく言ってきた若者がいました。問題外です…
私が(意図的に)ひっかかったのは、2と4。

2は、ついて行ったら普通のバーで、キューバリブレを一杯おごりました。キューバのことをいろいろ話せて面白かったです。その後、ちょうどカーサ・パティクラールを探していたのでそのことを話すと、一緒に探してくれました。カーサ・パティクラールの探し方が分かってよかったと思います。

4は、非常に紳士な態度で話しかけてきた人がいて、一緒にHabana Clubのラム博物館に行き、野球観戦にも連れていってくれました。野球観戦ではキューバ人料金でチケットを購入してくれたり、球場ではアイスクリームを買ってくれたりしてとても親切な人でした。試合終了後には球場近くのお宅にも伺いました。最後にサービス料をくれないかと言われましたが、とても紳士な人でいろいろなキューバについての質問に答えてくれました。サービス料といっても4CUCほどあげただけです。

キューバの平均的な月収は10~20CUCだそうなので、観光客からの数CUCのチップは大きな収入源だというのは分かります。ただ非常に安価な食糧や無料の医療・教育など最低限の生活が保障されているのか、ヒネテロも必死さはなくゲーム感覚でやっているように感じました。

ハバナ旧市街のカーサ・パティクラールのご主人がヒネテロのことを社会の寄生虫だと非難していました。彼らは何も生み出さずに観光客から搾取するだけだと。寄生虫だから相手にしないか、それともキューバ人と接するいい機会と思って乗っかってみるか、どうでしょうか?

もちろんなかにはただ世間話をしたくて近づいてくる人もいます。「俺が話しかけてもなぜか日本人は無視してどっか言っちゃう」と愚痴っていましたが、ヒネテロの存在が大きいのではないでしょうか。

ビニャーレス渓谷

ビニャーレスには日帰りのツアーでいきました。Hotel Ambos Mundos(ヘミングウェイが定宿にしていたホテル)のツアーデスクで申し込みました。値段は55CUC/人。今回の旅行で唯一クレジットカード(JALカード)を使って支払いました。

7時半に泊まっていたカーサ・パティクラール近くのHotel Plazaのロビーで集合。その後、ツアーの参加者を拾いながら出発します。

葉巻工場に立ち寄り見学しましたが、カメラ撮影禁止でした。


「ラム工場」にも立ち寄りましたが、工場というよりは実質お土産屋。地元産のラム(試飲できます)や葉巻などを買うことができます。葉巻はハバナのお店よりも安かったです。


ビニャーレス渓谷。非常に美しかったです。



昼食。美味しくなかったです。特に豚肉が臭く、食べられたものではありません。また食後のコーヒーも煮詰まった感じでした。


インディアン洞窟と呼ばれる洞窟内を徒歩とボートでまわります。スペイン人が侵略してきたときに捕まって奴隷となることを嫌って先住民がこの洞窟内に潜んでいたことからインディアン洞窟と呼ばれるようになったそうです。しかしキューバに住んでいた先住民はスペイン人がヨーロッパから持ち込んだ病気が原因で死に絶えてしまいました。


街。


巨大壁画。